宗教法人東園寺

塩釜中央幼稚園

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お知らせ

おさなご

だるま祭り(おさなご9月号)

10月5日は達磨忌、達磨大師のご命日です。達磨大師はインドから実践的な仏教である禅を伝えたインド人僧侶で「初めての禅僧」であることから初祖(しょそ)と称えられます。正式なお名前は菩提達磨(ぼだいだるま)大師ですね。

達磨さんの故郷はインドの香至国(こうしこく)でインドの地名ではカンチープラムと呼ばれる南インドの都市です。

伝説によれば達磨さんは香至国(こうしこく)の第三王子で達磨さんの父王は大変仏教を信仰しており、僧侶を城に招いては法話を耳にしていました。あるとき般若多羅(はんにゃたら)さんという僧侶のお話が素晴らしかったので王様は般若多羅さんに大きな玉を与えました。般若多羅さんはその玉を三人の王子に見せてこの玉に勝る宝があったら言ってみなさいと質問します。達磨さんの兄二人はその輝かしい光を褒め、あるいはまんまるの美しい形を称えてその玉に勝る宝など無いと答えます。

しかし達磨さんの答えは兄二人とは異なっていました。「尊者!その玉は確かに素晴らしい形をして光を放っていますが、このような玉は傷が付けばすぐに価値が下がると伺っています。そしてその光ですが太陽の光や蝋燭の光を借りて輝いているのであり、それ自体が光を放つものではありません。私はそれよりも傷付いても立ち直ることが出来、自ら輝くことが出来る人の心や智慧に方がもっと素晴らしい宝だと思えます。」

少年達磨の答えは般若多羅さんを驚かせました。そこで後に父王が亡くなると般若多羅さんは達磨さんを弟子として育成し、達磨さんもその期待に応え立派な僧侶となるのです。

達磨さんの言葉を借りるまでもなく、人間には智慧や心という素晴らしい宝がありますが、それに真に気付くことはなかなか難しいですね。坐禅はこの真の宝に気付く為の修行です。達磨さんの命日にちなみ幼稚園ではだるま祭りと称した坐禅会を行います。子供達の坐禅は姿勢を正し、一定の時間沈黙するという我慢大会的な側面を持ちますが、ジッとして静かに過ごす体験は普段の子供達の生活では稀有なこと。子供達の心という宝を鍛える上でとても大切な時間となる筈です。

園長 千坂成也合掌

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